DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)は、LAN内のパソコンやスマートフォンなどにIPアドレスなどの情報を自動で割振り(設定)する機能のことを言います。
ネットワークの知識が少なくても無線LANやハブによる機器の増設が簡単に行えるのは、「DHCP」機能が自動でネットワーク情報を配信(設定)しているためです。
LANやインターネットを使用する場合、パソコンなどのネットワーク機器にIPアドレスを割り当てる必要があります。IPアドレスが必要なのは、パソコンだけではなく、スマートフォンやタブレット、ネットワーク対応プリンタなどLANに接続するすべての機器にIPアドレスを割り当てる必要があります。(スイッチングハブは、通信を通過させるだけでIPアドレスを持っていない場合がほとんどです)
設定するIPアドレスは、プライベートIPアドレスとなり家庭や企業など同一LAN内で重複することができません。IPアドレスが重複した場合は、正常にネットワーク接続できなくなります。IPアドレスとは?
このためIPアドレスの重複が発生しないように1台1台のIPアドレスを台帳などで管理する必要があります。
DHCPを利用すれば、DHCPが指定範囲でIPアドレスを自動で割振り、パソコンなどのネットワーク機器に配信(設定)するため、1台1台のIPアドレス管理が不要となります。
DHCPによりIPアドレスを割り振る側を「DHCPサーバ」、パソコンなどIPアドレスが割り振られる側を「DHCPクライアント」と言います。
家庭や小規模の企業の多くはルータのDHCP機能を「DHCPサーバ」として利用しています。多くのルータで「DHCP」機能があり、通常は「DHCP機能を利用する(ON)」がデフォルトとなっています。
ルータとは?選び方は?
ルータの種類により設定方法や初期値は異なりますので、マニュアル等でご確認ください。
上記例は、
「ルータのIPアドレス(LAN側)を"192.168.0.1"を手動で固定割り当て」
「DHCPは"192.168.0.10"~"192.168.0.100"の範囲で割り当てる」
また、企業の中にはルータではなくDHCPのサーバを設ける場合もあります。
DHCPサーバ機能を持っているインテリジェントスイッチハブやNASなどもあります。
DHCPクライアントの設定が「DHCPを使用する」になっていないとIPアドレスなどの割振りは行われません。
Windowsの場合
「IPアドレスを自動的に取得する」「DNSサーバーのアドレスを自動的に取得する」(下記の左画面の状態)となっているとDHCPが利用されます。右画面の状態だとDHCPは利用されません。
例はWindowsですが、MACでもスマートフォンでも、タブレット、プリンターでも同じように「IPアドレスを自動的に取得」の設定になっていないとDHCPサーバよりIPアドレスを取得することはできません。
ただ、ほとんどの機器でデフォルトは「IPアドレスを自動的に取得」となっています。
DHCPサーバが存在しない環境で、DHCPクライアントが「IPアドレスを自動的に取得する」を選択しても正しいIPアドレスは割り当てされません。